福島県からの自主避難における賠償など法的支援

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自主避難者への都営住宅優先枠の改善に関する要請書
2016年7月2日

SAFLANは、6月13日に東京都が発表した自主避難者向けの都営住宅の優先枠について、さらなる改善を求めて、7月1日、下記の要請書を東京都に提出しました。

PDF版はこちら→SAFLAN:都営専用枠要請書(20160701)

2016年7月1日

 東京都都市整備局長 安井順一様

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)
共同代表 梓澤和幸、福田健治
事務局長 大城聡

自主避難者への都営住宅優先枠の改善に関する要請書

私たちは、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島原発事故)により避難された方々への支援を行っている法律家団体です。

福島県は、2015年6月、福島原発事故後、政府が指定した避難区域外から避難した方々(以下、自主避難者)への応急仮設住宅の提供について、さらなる延長を求める多くの自主避難者や支援団体の声を無視し、2017年3月で打ち切る方針を示しました。これにより、多くの自主避難者が、同月以降の住宅の確保について不安を抱えており、また住宅の無償提供の打ち切りにより避難元への帰還を余儀なくされるケースも出てきています。

東京都は、2016年6月13日、「東日本大震災による福島県からの自主避難者への新たな支援について 都営住宅公募における専用枠の設定」を公表し、現在東京都が応急仮設住宅を提供している自主避難者世帯に対して、都営住宅の公募において200戸の専用枠を提供する方針を示しました。

新たな東京都の方針は、自主避難者が、無償ではないものの、廉価な住宅に入居し避難生活を継続する機会を提供するものであり、不十分ながらも東京都内の自主避難者への独自の支援を行うものとして評価できます。

一方で、東京都の支援策には多くの問題が残されています。現在東京都が提供する仮設住宅に避難中の自主避難者は約600世帯あるにもかかわらず、専用枠は200戸にとどまっています。また、現在URが提供する住宅や雇用促進住宅、市町村営住宅等に入居している世帯、自力で民間賃貸住宅に居住している世帯などは対象外とされています。さらに、多くの避難者が、現在の避難先で新たな生活基盤を築いており、特に学区をまたいでの転居は避難者の生活や子どもの環境に大きな影響を与えることが懸念されますが、新たな支援策の下で、現在入居中の都営住宅からの移動についてどのような配慮が行われるのか、何ら明らかにされていません。

つきましては、私たちは、東京都に対し、新たな支援策について、次の改善策を採るよう要請します。

 

  1. 現在UR住宅や雇用促進住宅、区市町村営住宅等に入居している世帯や、自力で民間賃貸住宅に居住している世帯、実家などに避難している世帯など、すべての自主避難者を等しく優先枠の対象とすること。
  2. 学齢期の子どもがいる世帯については、子どもが現在通っている小中学校から学区が変わらない範囲の住宅に優先的に入居できるよう配慮すること。
  3. 十分な申込期間を設けること。
  4. 200戸を上回る申込があった場合、住戸を追加しての2次募集を検討すること。
  5. 同住宅の別部屋あるいは同住宅の別棟に入居権利を得た場合、引っ越しなしでの切り替えができるよう対応すること。
  6. 都内の各区市町村に対し、同様の支援策を行うよう要請すること。
  7. 現在応急仮設住宅としての民間賃貸住宅の提供に応じている賃貸人に対し、避難者が希望する場合、継続居住を可能にするための契約切り替えに応じるよう協力を要請すること。

 

なお、本要請書に対する回答は、2016年7月11日までに、下記の連絡先までお送りください。また、本要請書及びこれに対する東京都からの回答は、当団体のウェブサイト等を通じて広く公開する予定です。

(写しの送付:東京都議会議員各位)

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