福島県からの自主避難における賠償など法的支援

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原発被災者支援のための早期立法を求める要望書
2012年4月3日

2012年4月3日

国会議員 各位

原発被災者支援のための早期立法を求める要望書

 私たちは,原発事故の被災者及び被災者支援に取り組んできた市民団体です。

 原発事故の発生から一年が過ぎました。この間,福島県の内外から大量の避難者が発生し,政府指示の避難区域の内外を問わず,避難者の多くは深刻な生活上の困難に直面しています。

 このことは,居住する地域にとどまった者も同様であり,原発事故の発生によって,いわれのない大きな苦しみを負わされることとなりました。

 いま,国会の場において,与党の提出した「東京電力原子力事故の被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案(以下,「与党案」)」および,野党の提出した「平成23年東京電力原子力事故による被害からの子どもの保護の推進に関する法律案(以下,「野党案」)」の審議が進められています。

 被災者・避難者の問題に立法府が正面から取り組もうとしていることを,私たちは大いに歓迎し,これらの立法の早期成立を求めます。

 与党案は,国が原子力災害から国民を保護する責任を負っていることを認め,原発被災者全般を対象とし,「支援対象地域」という形で,その区域からの,またはその区域への移動を自らの意思で行うことができるよう支援することを定めており,評価できます。

  他方,私たちは与党案について,基本理念で健康被害の未然防止が必ずしも明示されていないことを含め、以下の懸念を共有しています。

○  第7条で指定対象地域にとどまる者への支援を,第8条で避難者への支援を定めているが,第7条にある「医療の確保に関する施策」「子どもの就学等の援助に関する施策」「生活上の負担を軽減するための地域における取組の支援に関する施策」等が第8条で欠けている点が,避難者に対する保障の実質を欠くことに繋がらないか。

○  第12条の健康被害への医療給付の条件として「当該放射線による被ばくに起因する」との文言が加えられており,医療保障の実質を欠くことに繋がらないか。

 また,与党案に,生活再建支援制度における被災者に対する生活給付金の支給や健康管理手帳の交付など、具体的な措置が盛り込まれていない点は残念ですが,この法案を基本理念法と位置づけた上で,今後個別の立法や施策等がなされていくことに大いに期待します。

 この点,野党案では,基本理念として,「健康被害を未然に防止する」観点から「被ばく放射線量の低減に万全を期する」ことが謳われ,給食の検査や生涯にわたる健康診断など,子どもや妊婦に対する踏み込んだ支援策が挙げられており,こうした内容が与党案の成立の過程で,可能な限り反映されることを望みます。

 被災者・避難者の生活支援は喫緊の課題です。私たちは,与野党が協力して,一刻も早く立法を成立させ,それに基づく個別施策の具体化,実施を行うことを要望します。

以上

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、子どもたちを放射能から守る福島ネットーク、国際環境NGO FoE Japan(地球の友ジャパン)、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、ハーメルン・プロジェクト、福島避難母子の会in関東、NPO法人エコロジー・アーキスケープ、ハイロアクション福島原発40年実行委員会、脱原発福島ネットワーク、福島原発震災情報連絡センター、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク、福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトFnnnP、PEACH GIRL PROJECT

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