福島県からの自主避難における賠償など法的支援

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「自主的避難等に係る賠償金ご請求書」に関する東京電力宛公開質問状
2012年3月30日

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)では、現在東京電力が配布している「自主的避難等に係る賠償金ご請求書」について、以下の公開質問状を、本日東京電力に送付しました。回答が得られましたら、本ウェブサイト上でご報告させていただきます。
(→東京電力からの回答書(4月12日追記))

2012年(平成24年)3月30日

東京電力株式会社
代表取締役 西澤俊夫 様

福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク
共同代表        梓 澤 和 幸
同            河 﨑 健一郎
運営委員(担当)    福 田 健 治
公開質問状

私たちは、東京電力福島第一、第二原子力発電所事故(以下「本件事故」)による政府避難指示域外の地域においても、「避難の権利」が認められるべきであるという共通の前提に立ち、避難者の支援を行っていく意思を表明した法律家の集まりです。
現在、貴社は、原子力損害賠償紛争審査会が設定した「自主的避難等対象区域」に本件事故当時居住していた方に対し、「自主的避難等に係る賠償金ご請求書」(以下「本請求書」)を配布し、自主的避難等に係る損害について賠償請求を受け付けています。
私たちは、多くの避難者から、本請求書の趣旨について問い合わせを受けているため、貴社に対し、次の質問に回答するよう求めます。
なお、本質問状に対する回答は、本年4月10日までに、下部記載の連絡先までお送りいただくようお願い申し上げます。また、本質問状及び貴社の回答は、当団体のウェブサイト等を通じて広く公開する予定です。

質問

第1 一律額を超える損害の請求権について
本請求書は、本件事故によって、本請求書を利用して自主的避難等に係る損害について賠償請求を行う者(以下「請求者」)に発生した損害のうち、下記の各損害についてその請求権を請求者が放棄する趣旨を含まないものと理解してよいか。
1 自主的避難を行った避難者に生じた次の損害
(1) 子ども・妊婦であった請求者について、本件事故から平成23年12月31日までに発生した下記ア記載の損害のうち一人あたり60万円を超える部分及び下記アに記載されていない損害
(2) その他の請求者について、本件事故から平成23年4月22日までに発生した下記ア記載の損害のうち一人あたり8万円を超える部分及び下記アに記載されていない損害
2 自主的避難を行わなかった避難者に生じた次の損害
(1) 子ども・妊婦であった請求者について、本件事故から平成23年12月31日までに発生した下記イ記載の損害のうち一人あたり40万円を超える部分及び下記イに記載されていない損害
(2) その他の請求者について、本件事故から平成23年4月22日までに発生した下記イ記載の損害のうち一人あたり8万円を超える部分及び下記イに記載されていない損害

ア 自主的避難によって生じた生活費の増加費用、自主的避難により正常な日常生活の維持・継続が相当程度阻害されたために生じた精神的苦痛及び.避難および帰宅に要した移動費用
イ 放射線被ばくへの恐怖や不安、これに伴う行動の自由の制限等により正常な日常生活の維持・継続が相当程度阻害されたために生じた精神的苦痛及び.放射線被ばくへの恐怖や不安、これに伴う行動の自由の制限等により生活費が増加した分があればその増加費用

第2 避難確認書類の原本提出について
「自主的避難等に係る賠償金ご請求のご案内」によれば、賠償の対象者のうち、実際に避難をした者について、避難したことがわかる書類(以下「避難確認書類」)を原本で提出するよう求めており、また貴社は、対象者からの問い合わせに対して、提出された(避難確認書類)は返却しない旨を回答しているものと承知している。しかし、避難確認書類の例として挙げられている避難先の公共料金の領収書、避難に伴い発生した交通費や宿泊費の領収証等は、いずれも避難者が事後に実費による損害賠償を請求するために不可欠な書類であって、原本を東京電力が保管すべきでないことは明らかである。
したがって、避難確認書類については、写しでの提出を認める、原本を確認後返却するなどして、請求者が原本を保管できるよう請求方法を改め、その旨を対象者に通知すべきであると考えるが、貴社の見解はいかがか。

以上

公開質問状(PDF版)

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